
Kimmon Copter
❨ 昼下がり 恋人たちのファイト❩
「ぴこぷ、フェスの時間割り貰って来たよ、、、、、 あれ?ひとり?ばすたんは?」
「神父様と、デート。」
「マジで?ついに今夜 ばすたんも......って嘘でしょ?」
「出かけたのは本当。デートは、見た目。神父様の浮かれた様子。なんかスーツ着てた....」
「あー 完全に舞い上がってるね。三者面談ですかあ?ってやつね。」
「安心した? ノーンがデートじゃなくて。」
「なんで?好きな人とデート出来たら こっちだって嬉しいよ?」
「嘘だね。内心 可愛いBasを手元に置きたいいだろ?」
「さっきから 何言ってんの?...じゃあ言うけど、あんただって、Gabriel校のビルキン君に熱上げてんだよな!」
「彼は クリット君。ビルキン君は 多分....彼氏。」
「ほら。やっぱそうじゃん。名前訂正してまで、彼のこと知ってるだろうが!」
「別に好きとかじゃない。憧れみたいなもの。」
「抱きたい? 彼を。。。。。」
「はあ?なんですぐそっち行くわけ?」
「俺は、あんたしか愛せないから、、、 最終的にはいつだってやりたいの!」
「じゃあ 気持ちは同じ。」
「俺だけに 愛されたい?」
「ああ ....そうだよ。お前だけだ。」
「じゃあ する ?BKCの練習、basたんパートもぴこぷ 喘いでよ。」
「......歌ってよ 、、、、、だろ.....」

KristSingto
❨ ペット自慢か、恋人自慢か、 ❩
「ぴしん、カメラ 一個で良いからさ! マフィン ケージに入れて。」
シントーは、専用のバッグにどうにかして、カメラとなにか解らない機材を詰め込もうとしている。
「マフィン、 抱っこじゃだめ?」
「駄目。OFFGUNのとこのビビがいるから。」
解ったよと。いつもより大きなキャリーにプルートーとマフィンを寄り添わせ、頭を撫でる。
袖に引っ掛けたプルートーの爪を優しく離す。
二人とも抱っこしてもらいたくて、シントーの腕に絡みつく。 後でねと微笑み、もう一度 2人胸を撫でて、扉を閉める。
マンションのエントランスで待っていると、P'OFFの車が横付ける。
僕達は 彼の運転で、目的地へと向かう。
「ビビ、2人に興味深々だったね。キャリーの周りをちょこちょこ動いて可愛かった。」
「ぴおふが 来たら エントリすればいいんだよね? 」
僕は バイト先の屋台に顔を出す為に、2人をシントーに任せ、大学の構内を歩いて、屋台の並びエリアへと向かう。途中、バスケットゴールで点を競うゲームをやっているのを見つけ、飛び入り参加してみた。 懐かしいな… 僕も大学時代 バスケを少しだけやった。放課後 練習をしていると、ワーガーの団体が、コート外を通るんだ。その中に、シントーもいて 僕は 彼の目に留まりたいばかりに シュートを打ちまくった。でも、何故か彼が居ると注意力は散漫し、尽く外した。どうしてかは 直ぐにわかることになった。この話はまた今度。。。。。
「ぴがん、お疲れ様。 ぴおふとシントーは子供達のエントリに行ったよ。 はい これ。」
高得点を出した賞品のユニコーンのぬいぐるみを P'GUNに渡すと、ぎゅうっと抱きしめ喜ぶ。
屋台は昼に向けて、準備を急いでいた。
僕も 店の商品のパック詰めを手伝い。
昨夜の事を思い出していた。
「ねえ 僕達 これからどうする? いつまでもこのままで良いとは思えない。」
シントーは僕に腕枕し、頭を重ねる。
「じゃあ 結婚する? 僕は良いよ。 しても。」
シントーは迷っている。 ずっと。
幾度となく こんな会話をしたが、時期じゃないと、ブツブツと展望ばかりを述べ 僕達の未来についてはもやがかかったままだ。
「明日さ、2moons教会のGxxod神父に会ったら、話してみない? キットも知ってるんだよね?」
「うん。礼拝してるから。なんて話すの?」
「ん、、、考えがあるんだ....眠くなった、、、この話は明日ね。」
そう言って 僕を抱きしめ 眠ってしまった。
「キット、エントリ出来たよ。張り切って写真ん撮るから、いっぱいアピールしてね!」
楽しげに笑う シントーが好きだ。
カメラを構える姿が好きだ。
太陽の下 光る汗と褐色の肌が綺麗だ。
僕の大事な人。
「ねえ ぴがんがさ、推しカプ投票に参加したらって。 面白そうだし 参加する?」
僕をバシャバシャと撮る手を止める
さっきまで 楽しそうだったのに、あー、、、と唸って 時計を見る。
こういうのはシントー苦手だもんな。
駄目だよな…。
「ごめん、、、 それには出られない。 いいね早押しに出て その後用事があるんだ。終わったら落ち合おうね。」
なんだよ 、、、いいね早押しって。。。。 推しカプの方が面白そうなのに。
「了解.... 店番あるしな。よし!賛美歌聞きに行こう。友達が歌うから 一緒に来て。」
「ビルキン君でしょ 上手いよね、 彼。」
「うん。じゃあね ぴーたち 後で会おうね。」
OFFGUN兄さん達に手を振って、僕達は教会へと向かう。
シントーは道すがら 色んな風景を写真に撮る。
教会の大通りの並木 人々のはしゃぐ様子。
「キット こっち向いて....ん 、、、可愛い。」
「子供達 撮る容量無くなっちゃうよ? 」
「それでもいいよ。僕は 今のキットが撮りたいもん。」
恋人自慢大会があったら 出てたかもと笑うシントー。
浮ついた恋はしないんだったよな… だから 推しカプなんて興味無い。浮ついてるのは僕の方か、、、
シントー 、僕もぴーと居る一瞬一瞬が楽しいよ。
手を繋いで歩く 教会への道は まるで バージンロード。
僕が描く展望には こんな未来もあるんだよ。。。。。
OFFGUN
❨ OG!地球防衛飯 販売中!❩
「ガーン、、、、、まだ昨日の夢 引きづってんの?」
昼食時で、屋台 エリアは賑わって忙しい。
「引きずってないし、ただなんだか変な気分なの。」
Gunは、ベビーピンクに、なないろのたてがみのユニコーンのぬいぐるみを抱いて、パイプ椅子に腰掛け揺れている。
僕らは なんでも屋。
依頼が入ればなんでも請け負う。
こんな時勢だから危険な事も結構多い。
あるウイルスの流行で、仕事は激減した。
ゼロに近い。時々、モデルや、ドラマのチョイ役を引き受ける。だが 二人一緒が条件だ。
カップルなのかと聞かれれば、そうだと応えるが、固執したジェンダーマイノリティはない。
至って 普通に二人で居るのが心地よいからだ。
「ユニコーンと会話するなら、俺に話せよ?」
「解ってる。」
さっき、仕事が無いって言ったね。
食ってかなきゃいけないからさ、俺たち 2人で 考案した ベントーを売ることにしたんだ。
といっても、とても簡素な食事だ。
簡単に食べられ、尚且つ、栄養が瞬時に摂る事が出来る。 考案の背景には、Gunが時々見る夢が背景に作られる事になったんだ。
俺は 決して同調する気にはなれなかったが、日増しに鮮明になる彼の夢の情景といいようもない不安から、もしもこの先 そうなったら 俺たちのベントーはきっと需要があると踏んだんだ。
「パピ、、、、、 昨日また夢を見た。 僕達 凄い光が放って、離れ離れになる夢。」
「地球防衛飯 工場が爆発でもした?」
「そんなんじゃないけど、僕からはパピが見えないんだ。」
クソ暑い 昼なのに、青白い顔でテントの下で身を屈めるGun
手を伸ばして、身体を摩ってあげるのは人目が多い。
「俺が、お前から離れたことあるのか?」
「ない。」
手を取って 安心させたい でも俺にそんな度量が備わってるか? 自信は少ない臆病者だ。
「俺からしたら、俳優のテイタワンと仲良いの方がムカついて 顔面蒼白なんだけど。」
「それで 頭に来て、指輪買ってくれたんだったよね...パピの束縛野郎。」
「誰が 離れるかよ.... 束縛しまくってやる! 」
顔を真っ赤にして 照れて俺をパシパシと叩く。
「地球防衛飯の売れ行きは? 」
「順調。」
「俺たちの関係は?」
「...順調...」
後ろで ビビが吠えている。
✠✞✟☩✙✚✛☦☨☥✝✜✠✞✟☩✙✚✛☦☨☥✝✜
「クリット、 泣くなって。。。。」
礼拝堂の裏に少しだけ窪んだ場所がある。
僕は そこに クリットを閉じ込めた。
「お前 何やってるんだ、、、、、 僕に歌わせない気なの?!」
たわんだ戸板が少しだけ捲れて 屈んで入ると、外からは全く見えなくなる。
僕達だけが知っている秘密の場所。
「賛美歌が終わるまでだから、、、僕もここに居る。だから泣くな....」
グスグスと鼻を啜る音と くぐもった声で、僕を罵る声。
きらい、、、、、
ビルキンなんて 僕のこと大事じゃないんだ、、、、、
目をぎゅうっと瞑って クリットの痛みを流す。
コートナー.... こうするしか 僕に手立てはないんだ。
僕達 親友だよな まだ。。。。。
少なくとも 自分はそうだと思っていた。
日増しに綺麗になっていく親友が、、、
誰からも愛されるお前が、 僕に陰を作る。
「僕の友達が言ってた。お前の事 目当てで祭りに来るやつが多いんだって。」
「だから何? お前になんの不利があるって言うの?」
出して とか弱く 呟く。
今すぐ 抱き締めたい衝動
手のひらに爪を食い込ませ 耐える。
「お前の事 いちばん好、、、、、大事だって....思ってるって....」
「自分だけのものにしたいの?」
そんな事 言うな...僕のなけなしの理性は簡単に吹き飛ぶ。
「誰にも見せたくないの?」
戸板を押さえた力が緩む。
子供みたいな意地悪を こいつに仕掛けて、ただ僕は惨めになるだけ。
春から こいつは 別の大学に行く。
いつもそばに居た親友と離れる日々。
肩が触れ合う距離はずっと遠くなる。
閉じ込めて置きたい本心を情けない結果を生むだけの行為。
ただ 自分のエゴだけで、クリットを隠そうとした。
「僕は、お前の何?」
僕の問いに クリットの鼻を啜る音が止まる。
「入って来て、 教えてあげるから。。。。。」
戸板は僅かな隙間を残して閉じた。
✠✞✟☩✙✚✛☦☨☥✝✜✠✞✟☩✙✚✛☦☨☥✝✜
❨ 愛が生まれた日❩
スルプリを着た Bas君くん
尊愛
ここの学生にも劣らぬ若々しさ
このような 素晴らしいBasくんを私に使わせて下さり 感謝致します。
「神父さまあ、先ほどのDun牧師の講和 素晴らしかったですよねえ 」
愛とは待つこと。。。。。
なんだかそんなようなテーマだったかな、皆 顔がイケメンなぶん 内容など聞いちゃいないと思っていたが、あろうことか、私のBasくんは、顔には目もくれず、講和に聞き入っていたのか....?
「牧師にサインもらっちゃった! そしたら 電話番号も下さって、義理堅い人だなあって思っちゃった〜」
サインだと? どういうサインだ。 私ならいつもラブサインを送り続けているというのに、、、、、 どんなサインを受け取ったというのだ....
「ば、Basくん えっと、電話番号も貰ったって言った?」
「うん。登録したら 直ぐにライン来ましたよ? ご飯行きましょうって。」
ご飯?
屋台に行こうって意味だろうか?
待て待て うちの聖職者を食べるだと?
落ち着けイチパット!違う、、、 食事の誘いだ。
私だって 食堂でしか一緒にごはん食べたことないのに。。。。。
Basくんは、 私が育てた観葉植物の販売中だ。
優しく 葉をなぞる仕草が官能的だ(※注 葉を拭いている)
そんなBasくんをいとも簡単に食事に誘うとは、どんな手練だDun牧師。
大学時代の事だが、私の周りにも、彼の周りにも、大勢の取り巻きがいた。
まるで、主の尊話に導かれた者達の中心だ。
彼もわたしもまた髙身長、 高学歴、ルックスは互角。どこが秀でているとすればどこなのだと 探すのも疎ましいほど 完璧な日々だった。
「Basくん、Dun牧師とその、、、ご飯行きたいですか?」
「は?まあ、誘われれば行きますけど。」
惜しむらくは、私の押しの弱さだろうか 敗因は。。。。。
「Basくん....知り合って間もないのに 食事に行くなど 私としては感心しませんね…」
「牧師様ですよ?有難いお話をしてくださいますよ きっと。」
有難いのは誘った方だと言うことを、純真なBasくんは疑わないのだ。
牧師とて 男。
なんらかの誤ちが無いとは限らない。
私ならば、自分を律することが出来る... 多分。
「だが、Basくん、、、」
「神父さま、そろそろ講和の時間ですよ。行ってください…」
愛を諦めない。
イチパット これは 自分の為の説法ではないのか
?
「もしも、もし、、、Dun牧師と食事に行く際は、私も同席させてくれないか?」
ちいさなモンステラの鉢植えが買われて行く。
私の自慢の株分けのひとつだ。
大切に育てて欲しい。
初めて、Basくんが修道院に来た日を思い出す。こんなか細い子が神職に携わる事ができるのだろうか?しかし私の予想を越えて、粘り強く精進し、日々の修行に尽力した。
私を慕ってくれ、男所帯の修院に花が咲いたように、鮮やかな毎日になった。
私は、 Basくんを大切にしたい。
立派に華やかに育った彼を。。。。。
「イチパット神父さま...僕の事心配してくださってるんですか?」
スルプリが風に揺れる レースの袖が、日に透けて、まるで天使の羽のようだ。
「勿論です。あなたを大切に想ってます。」
言っちゃった イチパット。。。。。
「解りました 。誘われたら、神父さまに相談しますね。」
「ありがとう。そうしてくれると 私も安心です。あっ そうだ.... これをBasくんに。」
小さな包みを渡す。
「これは?」
「先日 誕生日でしたよね。遅くなってすみません。」
包みをあけるBasくん。
「綺麗。。。。。」
クリスタルの天使像
「気に入ったでしょうか?」
「ありがとうございます!とても嬉しいです。」
張り切れんばかりの笑顔。
どっちが天使か見間違うほどだ。
「神父さま、インスタアップしましょ!大好きな神父さまとプレゼント載せたいなあ!」
大好きな神父さま
大好きな神父さま
このまま 主の元に召されそうだ。
私とBas君が頬を寄せた写真がアップされる。
最速で いいねだ。
いいね早押しなら 私の右に出るものはいないだろう。
「じゃあ 僕は ライブの準備に行きますね!神父さまも講和頑張ってください!」
私も講和をチャチャっと終わらせ、公開懺悔は、Dun牧師に任せ、Basくんの応援に行くからね!
忙しいが 幸せだと頑張ろうという気力が湧く。
「あの、、、、、モンステラってまだ残ってますか?」
サワディーカーと手を合わせる男性は OFF君と、シントー君だ。
「お久しぶりですね!いらしてたんですね、お会いできて嬉しいです。」
OFF君は モンステラをひとつ購入してくれた。
イケメンの元で、美しく暮らしてくださいね。
「イチパット神父様。僕もお願いがあるんですが、、、公開懺悔の事で相談したいのです…」
シントー君の端正な顔は 真っ直ぐに私を見つめる。
「なんでしょう。教会に行く道すがら お聞きして良ければ。」
私と 2人は連れ立って歩く。
周囲の目はこちらに注がれる。
良いこと続きで 怖いくらいだ。
日頃の行いのおかげだろうか。
「本日は とても善い日ですね。神に仕える私のような者も つい浮かれてしまいますね。」
続く。