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【2020.1.4記事 一日限定公開 】Cry Baby Cry

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たとえ 僕たち2人の間に誰かが 割って入っても、僕は動じないと思っていた。

だって ぴしんは僕を心から愛しているし、 僕もぴしんが世界で一番大事な人だから…

でもね、どうして?

ぴしんはどうして、僕だけのぴーじゃいけないの? 誰かのノーンになりたいの?



「…ぴーてー、、、、、シントーが好き?」

カノム・ティアンを包むバイトーイを剥がす手を一瞬 ピタリ、と止める

テイ兄さん。 同じ事務所の先輩で、僕の恋人 シントーの親友。

僕は見逃さなかったよ。ぴーがほんの少し同様したことをね。
桃色の餡だと喜び 旨い!とごまかしていることもね。

「ぴーnewと番のくせに 親友のことも好きになった?」

モゴモゴと餅を咀嚼しながら、 ぴーnewとはビジネスだと言う。

「クリス お前 何度も同じこと聞くなよ…お前らみたいな相思相愛と一緒にするな。」

「じゃあ ぴしんのこと好きなんだ。僕がいるのに 手を出したよね?」

二つ目の皮を剥がしかけた手を止める。今度は完全に。

嘘ついても無駄だから。昨晩、シントーからぴーの匂いがした。

「好きだけど、友達としてだ…ごめん…でも抱いてない… そうなりそうだったけど、誓うよ… 絶対にしてないから。」

解ってる。シントーの欲は 朝まで続いたから。 だけど 他の人の匂いをさせて僕を抱くんだよ。 耐えられたよね よく、、、 僕はおかしくなっていたよね きっと。

「それに、俺が言うことじゃないかも知れないが、お前ら ちゃんと愛し合ってるのか? 昨夜のシントーは急いていた…」

「止めて! そんなこと聞きたくないから! なんだよ あいつ… 親友と寝る気かよ!」

この場にシントーがいたら 言葉遣いを注意するだろうが、構うもんか 僕に対する不満を何故友達にぶつける必要がある?直接言えばいいじゃないか!飽たのなら ただの兄弟に戻ろうって。僕は戻る気はないけどね。

「クリス 落ち着けって!シングが悪いんじゃない。あいつの色気に惑った俺が悪い。泣いていたから ずっと肩を抱いただけだ。」

泣いたの? シントーが?

釈明はこうだった。自分とクリスとの両立が出来ないと零したシントーの話を聞くうちに、自分自身も今の自分に疑問を感じたのだと。シントーは僕を幸せにしてあげられないかも知れないと泣いた。 子供のように涙を流す表情と、大きく開いたセクシーな胸元とのギャップに惑ったのだと。軽くキスをすると、シントーも返してきたと。。。。。お互いヒートしてきたのだが、自我が働いたと。それぞれに謝って、もう一度ゆっくりと話しを聞いた。 それだけだと。

確かにここ最近は、忙しくて 会う暇もなかった。僕もシントーが将来の為に動き出していることも知っていたし、離れる日々があっても仕方がないと思っていた。

「シントーは クリスを大事に思っているよ。だからこそ お前に、心配かけたくなくて、溜め込んだのかもな、、、本当に悪かった…」

冷めてしまったトムカーガイをスプーンで掬って、トロトロと零す。

シントーの悩みを解ってあげられない悔しさと自身の身体を持っても 繋ぎ留められない切なさ

沈黙。
シントーは来ない。 

「キット、、、言ってみたら?離れるの嫌だって。」

言えないよ… 彼の夢を絶つことなんて 言えるわけがない。
独りにするな… 淋しいのは嫌だ。 
泣いて 縋って 困らせるなんてできやしない。
SPYの赤はプチプチと気泡を弾る。

まるで煮え切らない僕のように、大爆発もできなければ、グラグラと煮え立って終わりな 魚貝のスープのそれだ。

甘いクーラーをグッと一口 流し込む。

「ぴーテイ… シントーとしたこと僕にもしてよ。」

「何言ってんだ。。。。。」

「 キスだけなんだろ? どうってことない…」

僕は ぴーとの距離を詰める。

「俺の問いには答えないのか?」

 口を突き出す。

「格好悪いよ 男の泣き言なんて。」

言わないよ 困らせたくない…

ぴーの持っていたグラスを取り上げ、眼鏡を外す。

「してよ ぴしんが夢中になるくらいのキス。」

俺は、ストレートだと 僕を避ける

僕だって 違うよ。ただシントーが好きなだけ。

目を閉じて、顔を近づける。

「シングに殺されたくない。」

「逃げるなよ ぴーだって同罪だ。」

一回限りだからなと 肩に手を掛ける。

ぴーの上唇が触れる。

ビクンと身を震わすと、笑いながら ぴーは離れた。

「お前 ほんっとに他人に触られるの苦手だよな。」

「くすぐったかっただけだよ。」

「違うね。お前は シングにしか許せないんだよ。」

そういう躯になったんだよと 胸を押す。

「ごめん ぴーテイ…」

「俺こそ ごめんな。」

自分がしようとしたことに今更ながら怖くなって震えた、、、同時に涙が溢れた。シントーも罪悪感に苛まれたのかな…

ぴーの胸に凭れ 少しだけ泣いた。

何も言わず 頭を撫でるぴーに心の中でもう一度詫びた。

シントーからラインが入る。

食べ物を買って帰るから 二人とももう少し待っててと。

「シントーは至って普通だ。ぴーとのことは無かったことにしてるよ。」

「言っただろ。過大な間違いを起こさずに済んだんだ。俺たち ずっと親友だし 2人の事も応援してるからな。」

それにしても…と ぴーはニヤニヤし出す

「本当に シングがお前抱くの?逆じゃないのか?」

「甘え上手だろ?ぴしん。可愛いんだよな 本当に。」

だから どうなんだよ!とすっかり下世話なぴーはぬるくなったカクテルを飲み干す。

「 秘密だ。僕だけが知ってる兄さんだからな。」

「はっ さすがのPERAYA様だ! キット もう泣かないの?いいよ シントーが帰るまで泣いても。」

「そういう 意地悪な所 ぴしんにそっくりだ!」

Don't  Baby cry  but..... only for now  Cry Baby cry 

終わり。





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