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【2019 2.24 記事限定公開⠀】The Game of Love

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9/11まで 公開します! しかしこれの繰り返しなような気がしないことも無い555






「クリス、僕のこと好き?」

進行表を見ていた僕に、シントーは聞く

「兄として 好きだよって答えればいいやつ?」

本当はちがうと解っていた 
すぐ側に立って、真顔なのが明らかに求める答えじゃないことは..... 。

それを近くで見ていた OFF兄さんが 僕に耳打ちをする。

「テント 今誰も使ってないから、中で話したら?」

他の仲間にも聞こえているようだ。
それに、メディアという公共の目があることへの配慮だ。

僕が歩き出すと、シントーものたのたと後をついて来る。

パイプ椅子に向き合って座る。

スタッフが1人いたが、僕らのことは知っているし  シントーの少しの変化なら気にもとめないだろう。

「シング どうしたの?不安なことがあるの?」

俯いたシントーの頭を撫でる。

「 クリスは僕のこと好きじゃない。」

何を聞いた? 何に反応したんだ?

今日は朝から、様子は違っていたのは気づいていたが、 寝不足といつものマイペースで、若干ハイになっているのだと思っていた。

違うの? なぜ 僕の気持ちを仕事場で確かめたりするの?

僕は、シントーが好きって知ってるくせに。。。。。

「いや さっきのはほら… メディア向けのお決まり文句だし 口裏合わせするじゃない? いつものようにさ。」


「 聞いたのは 僕だ。 」

シントーの表情に思わず後退る パイプ椅子がズズッと地面を滑る。


切なく 苦しい顔

これは駄目だ

シントーのムードに流される訳にはいかない。

兄さんはずるいんだ

演技じゃない いつもの自分を簡単に顕す

どれだけ 僕が苦労しているか 解らないだろう?

甘えた仕草や 僕を見据える眼差しに

あしらうことも出来ずに 受け止めていることを。

ねぇ 卑怯だよ..... 

僕たちは、どこにいたって 晒される立場なのに

僕たちだけの秘密を 不特定多数に知られること

避けてきたんじゃなかったの?

「シング 続きは帰ってからでいい?」

「駄目 明日早いから 」

「わがまま言うなんて 兄さんらしくないよ.....」

「愛することに 我が儘になっちゃ いけないの?」

「そう言うこというの ずるいよ! シントーだって 僕のこと平気ではぐらかすくせに! 外じゃお互い ピーノーンしようって決めただろ?!少しの嘘は必要だって..... 」

僕は すぐに態度に出るから 注意深く振る舞っているのに なんで、急にそんな事言うんだ 一つ年上の兄さんは時々子供っぽさを出してくるけど 一人っ子の性分だと認めていた

でも今日は、少し、、、いやだいぶ様子が違う。

「シング、 僕はどうすれば良いの? 」

僕は 貴方だけに心を許してる

唇も身体も 僕 全部。


「ちょっといい? シントー来て。」

Gun兄さんがシントーを連れて行く

入れ代わりに、OFF兄さんがパイプ椅子に腰掛ける。

「ちょっと聞こえた。シントーはお前を好きすぎるんだ。言葉や態度の端々に、漏れ出てる 仕事場だからって抑えようにも限界なんじゃない?」

「それは 僕のポジションだよ 兄さんは笑ってればいいんだ それがお決まりだもん。」

OFF兄さんは、指を振って そうじゃないって否定する。

「お前に感化されてきてる クールで大人しいように見えるけど 情熱的な男だろ? そろそろ収まりきれないんだろ 兄弟設定じゃ   ね?」

気づいてるだろ?と額を指で突く。

「 僕は 楽だよ 今。 Gunは僕になくてはならない存在だと思うようになった 愛って どんどん変化するんだよ 多分な 。」

そろそろ本番!行くぞとおどけて立ち上がるOFF兄さん

「ピーオフ コップンナ 2人でもう一度話してみる。」

応と背中をポンポンと叩く

「 あっちも一段落したみたいだな」

「なんでGun兄さんといちゃついてんの?」

「キット そうじゃない..... シントーなりのスキンシップだ いいんだよ 僕らに対してもそれぐらいで。」

でもちょっと妬けるなと OFFはGUNの元へ飛んでいく。

シントーも僕の方へ走ってくる。

「キット ごめん お前に臆病になりすぎてた。 キットのインタビューを真に受けた 解っているのに.....ごめんな 責めたりして。」

Gun兄さんからのアドバイス

〝自然でいること お互いに心配しすぎないこと〟
 
確かに僕たちは仕事柄 TPOでわきまえる。

発言も振る舞いも

良くも悪くも みたまんま受け取られる。

少しずつ 蟠って 不満として噴出する。

「 僕こそ ごめん 兄さんが優しすぎて、その愛に胡座かいちゃったかも。」

これ以上に縮まる距離なんてない

愛は深まって 笑顔は溢れ 幸せで包まれる

僕たちは、 ほんの少し 

ほんの少しだけ 緩やかに進まなければ

激しくぶつかっても 傷つくことを恐れないこと

緊張を解いて 僕らなりのスタンスで。

「キット 愛してるよ。」

「シング 僕も愛してる。」

いつものようにハグをして 

僕らを演じよう。



ー恋の駆け引きー 終











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